東京の伝統工芸 37-38

37. 江戸木版画
     東京伝統木版画工芸協会 03−3951−2681
     161−0033 新宿区下落合3−13−17

アダチ伝統木版画技術保存財団

浮世絵のアダチ版画

わが国の木版画の歴史は極めて古く、
およそ1200年前に木版を利用して
衣服の文様をあらわした蛮絵が正倉院に所蔵されています。
またこの頃に百万塔陀羅尼文(ひゃくまんとうだらにもん)も
木版で製作されています。

木版画が一般に普及しはじめたのは、
江戸時代に入って菱川師信が浮世絵を製作しときからで、
この段階で、下絵を書く絵師、これを版木に彫る彫師、
紙に摺る摺り師の分業体制が確立しました。

当時の版画は墨一色の簡単なものでしたが、
その後、丹(朱色)を手で彩色する丹絵という方法が考案され、
次第に複雑な色を着色するようになり、
享保頃から漆絵あるいは紅絵(べにえ)と称する
美しい手彩色版画が市場に売り出されました。
寛保末頃、紅と緑の2色で色を摺る方法が開発され、
紅摺り絵といわれました。

明和2年(1765)、鈴木春信によって
錦絵という形式が開発され、
従来2ないし3色であった色彩は10色以上となり、
木版画の技術面は最高水準を極めました。
木版画の技術は、その後、
歌麿や写楽の写実的で精緻な表現技法の確立にいたって
完成の域に達し、
江戸時代末期の北斎、広重の風景画も
木版画の色彩美を遺憾なく発揮しています。

浮世絵版画は、絵師、彫師、摺師が一体となって
その美的表現を示すものです。
絵師は原画を薄い和紙に墨一色で描き、
彫師が原画を貼った板に(通常桜材)に小刀で、
(この場合、色板は一色につき一枚を必要とする)彫り、
摺師がばれんで紙の背面より力を入れてこすって仕上げます。

尚、現在一人ですべての工程を行う
創作版画は伝統工芸に含まれていません。



38.東京七宝 

   東京七宝工業協同組合
   〒111-0041 台東区元浅草1-2-1
 пF03-3844-8251

 東京七宝のページへ

江戸初期、平田彦四郎(道仁)は朝鮮からの渡来人に七宝技術を学び、凹部に色付けしたと言われています。 この方が我々東京七宝の祖であり彼は徳川幕府のお抱え七宝師として名作を残しました。 左、刀の鍔は彼の名作として知られています。平田家は代々江戸に住んで明治初期までその技術は門外不出とされて来ました。
慶応3年パリで第5回万国博覧会が開かれた時、日本の権威を海外に宣揚しようとして、幕府も使節団を派遣しました。そのとき薩摩藩が パリの勲章師にレジョン.ドヌールというフランスの勲章をかたどらせた「薩摩勲章」を作りナポレオン3 世以下に贈り好評を博した。このことを機に勲章の認識が高まり時の新政府は元老院の前身左院で賞牌制を設けることが論ぜられ、明治6 年その製造が造幣寮に依頼あり、当時七宝作業の経験がなく旧幕府時代の七宝家元であった。 平田春行が明治後の旭日章となります。
左図が旭日一等大受章です。この勲章が東京七宝の元祖という事になります。現在我々組合の七宝製作はこれをベースとして他方面に作品を供給しております。女性装身具、紳士装身具、カーマーク、ゴルフマーカー、校章、社章、その他其の用途は非常に多いといえます。

工 芸 品 名

 1. 村山大島紬  2. 東京染小紋  3. 本場黄八丈  4. 江戸木目込人形
 5. 東京銀器  6. 東京手描友禅  7. 多摩織  8. 東京くみひも
 9. 江戸漆器 10. 江戸鼈甲 11. 江戸刷毛 12. 東京仏壇
13. 江戸つまみ簪 14. 東京額縁 15. 江戸象牙 16. 江戸指物
17. 江戸簾 18. 江戸更紗 19. 東京本染ゆかた 20. 江戸和竿
21. 江戸衣裳着人形 22. 江戸切子 23. 江戸押絵羽子板 24. 江戸甲冑
25. 東京籐工芸 26. 東京桐箪笥 27. 江戸刺繍 28. 江戸木彫刻
29. 東京彫金 30. 東京打刃物 31. 江戸表具 32. 東京三味線
33. 江戸筆 34. 東京無地染 35. 東京琴 36. 江戸からかみ
37. 江戸木版画 38. 東京七宝 39. 東京硝子 40. 江戸手植ブラシ
41. 曲輪加工品 42. 足袋 43.. 江戸箒 44. 桶
45. 江戸独楽
(1番から 40番まで 東京都の指定 41番以降は未指定)
38-40は 平成13年度の指定 39の内容は準備中です


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