東京の伝統工芸 27-28



27. 江戸刺繍
     東京刺繍協同組合 03−3668−4856
     〒103−0015中央区日本橋箱崎町39−4−404

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日本で刺繍が行われるようになったのは飛鳥時代。
中国から仏教が伝来し、金銅仏とならんで刺繍による仏像、
いわゆる繍仏(しゅうぶつ)が数多く作られたのが始まりです。
現存する最古の作品は、奈良県・中宮寺に伝わる
「天寿国曼荼羅繍帳」(てんじゅこくまんだらしゅうちょう)で、
推古天皇が聖徳太子の死を悼んで妥女(うぬめ ・宮中の女官)に
製作させたものといわれています。
平安時代、公家社会が発達するにつれて、
男性の束帯や女性の十二単などの入りに刺繍が登場、
華やかさを競い合いました。
さらに安土、桃山時代になると
刺繍だけで模様を表現する主体性刺繍から
染めに刺繍を入れた相互性刺繍が多くなり
装飾性を増していくようになりました。
江戸時代も中期、天下泰平ムードを背景に
経済力をつけた町人階級が台頭、
彼らは簡素な装いに飽き足らず、
あらゆる染色技術に刺繍をくわえて
絢爛豪華な着物を次々と生み出しました。
あまりに高価なものが現れるに及んで、
幕府は再三、奢侈禁止令をだして取り締まりを強化しましたが、
江戸の繁栄とともに江戸刺繍は隆盛を続けました。
当時、刺繍職人は縫箔師・縫物師と呼ばれました。
日本刺繍には京風、加賀風、江戸風があり、
江戸刺繍は図柄を置くときに、
空間を楽しむような刺繍の入れ方をするのが特徴。

職人は糸の太さ、撚りの甘さなどを考えながら
自分で糸を撚り、色とりどりの糸を使いながら緻密に、
まるで精密画を描くように仕上げていきます。
針と糸で、いかに一枚の布地に命を吹き込むか、
ひと針ひと針、丹念に模様を表現する刺繍は、
できあがった作品の華やかさとはうらはらに、
地味で根気のいる仕事といえましょう。

上記の作品を製作された 遠藤基子さん


28. 江戸木彫刻
     協同組合江戸木彫刻 03−3641−7796
     135−0007 江東区白河1−4−11
関連リンク 松本彫刻店 




木彫刻の 松本さん
木彫の歴史は古く、
一説によれば6世紀の仏教伝来とともに始まったといわれています。
平安時代から鎌倉時代に多くの仏像が彫られ、
貴族好みの優美・華麗なものからしだいに武士の気風を繁栄して
勇壮なものが多くなっていきました。

室町時代に入ると仏像を必要としない禅宗が全盛期を迎え
仏像彫刻は影をひそめ、代わって社殿や寺院の柱・欄間などに
装飾を施す建築彫刻が急速に発達し、
世に知られる名工・左甚五郎は桃山時代から江戸時代はじめにかけて
活躍した人物でした。

建築彫刻は、もともと大工が手がけていたのですが、
江戸時代に棟梁たちの中から
装飾を専業とする宮彫師が現れました。
彼らは、仏像を彫る仏師が鑿と小刀を使い分けたのに対して、
主として鑿を用いる仕事が中心。
江戸周辺で彫刻のある建築物としては、
日光・東照宮の陽明門が代表格です。

明治時代、西洋建築があちこちに現れると、
仏具や社寺の装飾にたずさわっていた職人たちも
西洋彫刻に挑戦しはじめました。
昭和初期に造営され、今も使われている国会議事堂に、
当時、300人もの彫刻師が3年以上の歳月を費やして
彫り上げた傑作が今でも残っています。

木彫に使われる材料は、欅、桧、桜、樟など いろいろです。

彫刻は、彫の技術はもちろん下絵の構成によって仕上がりの良否が決まります。
味わいのある作品を彫ろうとすれば、
絵や書はもちろんのこと、茶道、華道に至るまで、
幅広い知識を身につけることが必要なのです。



工 芸 品 名

 1. 村山大島紬  2. 東京染小紋  3. 本場黄八丈  4. 江戸木目込人形
 5. 東京銀器  6. 東京手描友禅  7. 多摩織  8. 東京くみひも
 9. 江戸漆器 10. 江戸鼈甲 11. 江戸刷毛 12. 東京仏壇
13. 江戸つまみ簪 14. 東京額縁 15. 江戸象牙 16. 江戸指物
17. 江戸簾 18. 江戸更紗 19. 東京本染ゆかた 20. 江戸和竿
21. 江戸衣裳着人形 22. 江戸切子 23. 江戸押絵羽子板 24. 江戸甲冑
25. 東京籐工芸 26. 東京桐箪笥 27. 江戸刺繍 28. 江戸木彫刻
29. 東京彫金 30. 東京打刃物 31. 江戸表具 32. 東京三味線
33. 江戸筆 34. 東京無地染 35. 東京琴 36. 江戸からかみ
37. 江戸木版画 38. 東京七宝 39. 東京硝子 40. 江戸手植ブラシ
41. 曲輪加工品 42. 足袋 43.. 江戸箒 44. 桶
45. 江戸独楽
(1番から 40番まで 東京都の指定 41番以降は未指定)
38-40は 平成13年度の指定 39の内容は準備中です


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