東京の伝統工芸 35-36



35. 東京琴
     東京邦楽器商工業組合 03−3668−5100
     103−0013 中央区日本橋人形町2−24−5

わが国における筝曲の発祥は
九州・久留米の善導寺の僧賢順(けんじゅん)が
雅楽と琴曲の影響を受けて筑紫流(ちくしりゅう)といわれる曲を
室町時代の末期に大成したことに始まります。
筑紫流はその後、
八橋流(やつはしりゅう)を経て生田流、山田流を生みだしました。
18世紀に江戸の山田斗養一(宝暦7年、1757年生まれ)は
従来の筝曲が三味線の伴奏役であったのに対し、
琴を主演奏楽器として曲を作りました。
山田流、山田検校(斗養一)は大変な美声の持ち主であったので
江戸の人気を得たといわれ、
爪や楽器の改良も行い現在の「山田琴」の原形を作りました。

さらに山田流の曲に合わせて
琴師重元房吉(しげもとふさきち)が楽器の改良を行いました。
房吉は琴の長さを6尺にし(従来より3寸短い)、
琴の厚みもそれまでのものより厚くし、
ムクリ(縦方向のソリ)を強くして音量の増加を図り、
かつ琴爪を大きくしたので音質も明瞭になりました。
これが東京琴の特徴であり、
現在、山田流、生田流を問わず広く使用されています。

コトを表す漢字に「筝」と「琴」があります。
筝は現在、普通にコトと読んでいる13弦の楽器をさし、
琴は正確には柱(じ)を用いない7弦の楽器で
「きん」と読みます。
現在では常用漢字の中に琴の文字しか含まれていないため、
筝より琴の方が実際にはより多く使われています。
琴に使われる材料には、桐、紅木、紫檀など。
また琴の糸には絹糸が使われています。



36. 江戸からかみ
     江戸からかみ協同組合 03−3842−3785
     110−0015 台東区東上野6−1−3
「江戸からかみ」とは、
襖や屏風などに貼られる加飾された和紙のことです。
版木を使った木版摺りや伊勢型紙を使った捺版摺り、
刷毛を使った引き染め、砂子手蒔きなど技法は多彩です。

もともとは平安時代に中国から渡来した紋唐紙を
日本の和紙を地紙に模倣したもので、
京都で和歌をしたためる詠草料紙として作られていました。
中世になると襖や屏風に用いられるようになり、
江戸時代には多くの唐紙師がからかみをつくるようになりました。
「江戸からかみ」は、
木版摺りだけを重視した「京からかみ」に対し、
木版摺りを基調としながらも
型紙による捺染や刷毛引きなど多くの技法で作られるのが特長です。
その文様は、武家や町人の好みを反映した自由闊達で粋なものでした。
その後幾たびの戦火や大火に遭いながらも
そのつど職人の手により復刻され、
今も人々の暮らしに彩りと安らぎをもたらしています。



工 芸 品 名

 1. 村山大島紬  2. 東京染小紋  3. 本場黄八丈  4. 江戸木目込人形
 5. 東京銀器  6. 東京手描友禅  7. 多摩織  8. 東京くみひも
 9. 江戸漆器 10. 江戸鼈甲 11. 江戸刷毛 12. 東京仏壇
13. 江戸つまみ簪 14. 東京額縁 15. 江戸象牙 16. 江戸指物
17. 江戸簾 18. 江戸更紗 19. 東京本染ゆかた 20. 江戸和竿
21. 江戸衣裳着人形 22. 江戸切子 23. 江戸押絵羽子板 24. 江戸甲冑
25. 東京籐工芸 26. 東京桐箪笥 27. 江戸刺繍 28. 江戸木彫刻
29. 東京彫金 30. 東京打刃物 31. 江戸表具 32. 東京三味線
33. 江戸筆 34. 東京無地染 35. 東京琴 36. 江戸からかみ
37. 江戸木版画 38. 東京七宝 39. 東京硝子 40. 江戸手植ブラシ
41. 曲輪加工品 42. 足袋 43.. 江戸箒 44. 桶
45. 江戸独楽
(1番から 40番まで 東京都の指定 41番以降は未指定)
38-40は 平成13年度の指定 39の内容は準備中です


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