東京から南へ約300キロ
草木染めで知られる絹織物「黄八丈」のふるさとがあります。
紺碧に浮かぶここ八丈島は、正月やお祭りともなれば
黄八丈を着たかわいいメナラベ(島娘)達が「おじゃりやれ」(おいでなさい)と
島を訪れる人たちを歓迎してくれます。
島のいたるところに ヤシ、ハイビスカスなどの熱帯性植物が生い茂り、
四季の花が色どりを添えています。
昔は「鳥も通わぬ島」といわれ、絶海の孤島であり
絶海の孤島であり、自然条件の大変厳しいところでした。
しかし人間の知恵は、この厳しい風土の中から、
黄八丈独特の色合いを見せる、黄、樺、黒の三色に必要な草木を
原料とする天然染料を生み出し、
この島の特産品「本場黄八丈」をつくりだしました。
黄八丈の特徴は、八丈固有の風土の中から生まれた
「染め」と「織り」にあるといわれています。
黄・樺・黒の三色が主体で、
すべて八丈島で自生する草木を原料とする天然染料です。
黄色は 八丈刈安(学名コブナ草)、樺色は、マダミ(学名タブの木)の皮
黒色は 椎の木の皮と泥染めによる島独自の染色法によってつくられます。
三色を組合わせた竪縞、格子縞などの織物は
手織りで作られます。
こうした黄八丈は、長い年月を経ても変色することがなく
洗えば洗うほど鮮やかな色のさえを見せるようになります。
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