東京の伝統工芸 9-10



9. 江戸漆器
     東京都漆器商工業協同組合 03−3541−0151
     104−0045 中央区築地2−15−17
私たちの暮らしの中で 古くから使われ続けてきた漆塗りのお椀や重箱などは
毎日の生活はもちろん お正月やお祝事に登場し食卓を賑わしています。
今日でも 親子数代にわたり大切に使っている家庭も多いことと思います。

漆は 一度乾いてしまうと酸やアルカリなどの影響を受けず、
熱や電気に対する絶縁性が強いという性質を持っています。
また塗料としての役割だけでなく、
木地の汚れや腐食を防いだり強力な接着剤としての働きもします。

漆の木は、秋には鮮やかな紅葉となる落葉樹で、
日本や中国などに成育分布している東洋の特産物といわれています。
第二次世界大戦までは、日本でも良質の漆が採れましたが、
今日では、ほとんど中国から輸入したものを使っています。

一つの漆器ができあがるまでには、
漆の木から液を採る「漆掻」や
お椀や重箱などの素地加工を行う「木地師」
漆を塗る「塗師」
文様を描き金粉や銀粉などを施す「蒔絵師」など
幾人もの職人の手を経てできあがります。
また塗りの仕事は時間との闘いです。
表面が乾いたからといってすぐ次の塗りに移ったのでは
中まで乾いていないこともあります。
このため 特に慎重に行います。
木地固めから下塗り 中塗り 上塗りまで漆を塗っては研ぎの
作業を繰り返し行うため、根気のいる仕事です
従って良い品物ほど塗りの回数が多いといわれています。

海外では陶磁器のことを「チャイナ(china)」と呼び
漆や漆器は「ジャパン(japan)」と呼ばれていたように
日本では古くから多くの漆器が生産されてきました。


10. 江戸鼈甲
     東京鼈甲工芸品工業協同組合 0473−72−8330
     272−0836 市川市北国分1−31−6

関連リンク   江戸鼈甲 のページへ           
鼈甲細工の歴史は大変古く 正倉院宝物の中に杖や琵琶の一部分に 玳瑁の甲羅が使われていることからも明らかです。 江戸鼈甲が作られたのは江戸幕府が開設された頃といわれ 当時は 甲羅をそのまま使うなど細工も簡単でした。 元禄期(1688−1704)に貼り合わせの技法が江戸に伝えられ 複雑な造形ができるようになりました。

江戸鼈甲の材料は、数多い亀のうちでも 特に甲羅の質が装身具や置物の材料として 利用できる玳瑁の甲羅を使います。 玳瑁は、赤道近くの海域に生息し 大きいものは、50−60才で全長180センチメートル 体重200キログラムにもなります。 また 亀の背中の甲羅はかならず13枚で 黒くなっている部分を斑(ふ)といいますが 斑以外の透明な部分は約10%しかなく、特に珍重されています。

国際的に絶滅の恐れのある動植物の保護が叫ばれており 良質な天然鼈甲の確保が懸念されていますが 今日では 赤道近くのインドネシアやキューバでの人工増殖が行われており その成果が期待されています。

製品はまず甲羅からの木地取り、 製品の形と斑の位置を先に決めて、 同じ物を2-3枚水と熱で張り合わせます。 この時の湿し方と温度と圧力の加減で張り合わせの良否が決まるといわれ 長年の年季と熟練がものをいうところです。 最後にやすりと木賊(とくさ)で磨き上げていきます。

ネックレス、ブローチや眼鏡の枠など 天然の鼈甲製装飾品には、 奥行の深い光沢と肌触りがあり多くの人に愛用されています。

画像は 大澤鼈甲の大澤さん




工 芸 品 名

 1. 村山大島紬  2. 東京染小紋  3. 本場黄八丈  4. 江戸木目込人形
 5. 東京銀器  6. 東京手描友禅  7. 多摩織  8. 東京くみひも
 9. 江戸漆器 10. 江戸鼈甲 11. 江戸刷毛 12. 東京仏壇
13. 江戸つまみ簪 14. 東京額縁 15. 江戸象牙 16. 江戸指物
17. 江戸簾 18. 江戸更紗 19. 東京本染ゆかた 20. 江戸和竿
21. 江戸衣裳着人形 22. 江戸切子 23. 江戸押絵羽子板 24. 江戸甲冑
25. 東京籐工芸 26. 東京桐箪笥 27. 江戸刺繍 28. 江戸木彫刻
29. 東京彫金 30. 東京打刃物 31. 江戸表具 32. 東京三味線
33. 江戸筆 34. 東京無地染 35. 東京琴 36. 江戸からかみ
37. 江戸木版画 38. 東京七宝 39. 東京硝子 40. 江戸手植ブラシ
41. 曲輪加工品 42. 足袋 43.. 江戸箒 44. 桶
45. 江戸独楽
(1番から 40番まで 東京都の指定 41番以降は未指定)
38-40は 平成13年度の指定 39の内容は準備中です


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